貿易ニュース 6月2008年 

25/06/08 ミュールジング処理の批判を受けて鎮静剤を使用−豪ウール生産者
25/06/08 来年度の第一次産品の輸出が40%増と予測 − 豪農業資源経済局
25/06/08 ニュージーランドの牛肉輸出量が引き続き減少
25/06/08 大手サーモン養殖業者が事業を拡大 − タスマニア州
25/06/08 輸出業者は豪ドル高が最大の懸念と指摘 − DHL調査
25/06/08 初めて生乳をアジアに輸出 − 西オーストラリア州
18/06/08 生のプローン(クルマエビ)の輸入制限で、国内価格が上昇
18/06/08 干ばつでウナギもいなくなった − ビクトリア州
18/06/08 日本からのリンゴの注文が多様化 ー タスマニア州
18/06/08 トヨタは豪州でのハイブリッド車生産を補助金提示前に決めていた
18/06/08 日本の検査官によるミバエ無発生地域の指定に期待−サンレイシア
18/06/08 昨年のワインの輸入量が過去最高も豪産ワインの輸出は9%減る
11/06/08 トヨタが2010年からオーストラリアでハイブリッド車を生産
11/06/08 5月のオーストラリアの新車販売が好調、燃費の良い車に人気
11/06/08 オーストラリア産ワインの輸出量が減少
11/06/08 好調な新車販売に陰り、5月の乗用車が前年割れ−ニュージーランド
11/06/08 スポーツ衣料アディダスがミュールジングしたウールをボイコット
11/06/08 害虫が発見されトマトとカプシカムが輸出禁止−ニュージーランド
04/06/08 サーモン養殖大手タサール社が大学を訴える − タスマニア州
04/06/08 農業団体は遺伝子組み換え穀物を支持 − 西オーストラリア州
04/06/08 中国と南東アジア向け豪産ラムの輸出が急増
04/06/08 オーストラリアのアボガド業界は安値と病気で踏んだ蹴ったり
04/06/08 羊のミュールジング自主申告制度を導入 − ウール業界
04/06/08 オーストラリア国内の農業機械の販売台数が急増

                                                                   

06月25日2008 ミュールジング処理の批判を受けて鎮静剤を使用−豪ウール生産者
  国際的な批判により、さらに多くのウール生産者が羊のミュールジング処理をする際に鎮静剤を使用している。 動物保護団体の非難を受け、オーストラリアの羊産業はミュールジング処理を段階的に減らし、2010年には廃止すると決めている。 ミュールジング処理は、ハエからの攻撃予防策として羊の尻部の皮膚を剥ぎ取る処理方法である。 一部の世界的に有名な衣料メーカーは、このミュールジング処理が残虐としてオーストラリア産ウールをボイコットしている。 南オーストラリア州のミュールジング処理業者のスー・ジャクタ氏は、「鎮静剤は羊1頭当たり80セントするが、ミュールジング処理の際の痛みを緩和することができ、最近鎮静剤を使用するウール生産者が75%増えた」と話した。 鎮静剤メーカーのデーブ・ロス広報担当は、「今年になって利用者が250%増えた。 オーストラリアのウール生産者は、2010年のミュールジング処理廃止に向けて神経を尖らせている」と語った。 (Source: ABC, 24/06/08 "More wool producers using pain relief on sheep")
06月25日2008 来年度の第一次産品の輸出が40%増と予測 − 豪農業資源経済局

  連邦政府は、第一次産品ブームの高まりが来年度のオーストラリア経済の助けとなると予想している。 豪農業資源経済局(Australian Bureau of Agricultural Resources Economics : ABARE)は、来年度の第一次産品の輸出が2,120億ドルになると予想しており、これは今年度と比べて40%増となる。 鉄鉱石、石炭、その他のエネルギー輸出がこの増加の牽引役となり、降雨量が増えれば、農業部門も増加していくとしている。 ABAREの主任第一次産品アナリストのジェーミー・ペンム氏は、「輸出は国際収入が増えることになる。オーストラリアの経済活動に拍車がかかり、オーストラリア経済にとって良いニュースである」と話した。 (Source: ABC, 23/06/08 "ABARE tips commodity exports to hit $212b")

06月25日2008 ニュージーランドの牛肉輸出量が引き続き減少
  ニュージーランド食肉公社(New Zealand Meat Board ; NZMB)は、「ニュージーランドの牛肉輸出は5月も前年同月比で40%減り、1月から5月までの5ヶ月間の輸出量は、昨年同期と比べて11%減少して17万0,693トンとなっている。 これは、ニュージーランドのすべての主要輸出先国への輸出が落ち込んだため」と話した。 5月のアメリカ向けは、記録的な輸出価格となり、前年同月比で45%減り1万1,980トンとなった。 日本向けも48%減少して1,934トンとなり、韓国向けも、アメリカ産牛肉輸入問題でマーケットが混乱し、32%減って1,769トンとなった。 (Source: MLA, 12/06/08 "NZ beef exports continue to fall")
06月25日2008 大手サーモン養殖業者が事業を拡大 − タスマニア州

  タスマニア州の大手サーモン養殖業者が事業を拡大する。 Huon Aquaculture社は、タスマニア州西沿岸のMacquarie HarbourにあるSouthern Ocean Trout社を買収した。 これにより、80ヘクタールの土地のリース契約、Strahan地区にある加工場、 ダーウェント川の孵化場を獲得した。 同社の共同経営者のひとりであるピーター・ベンダー氏は、Macquarie Harbourでのサーモン養殖を始める計画で、年間30万匹の養殖を目標にしている。 ベンダー氏は、「今回の買収で、我々の売り上げが将来的には20%増える見込みである。 深くて汽水域なMacquarie Harbourは、3月、4月、5月の時期のサーモン養殖に向いている。 これにより、通常我々が5月に行なっている州南東部でのサーモンの水揚げが6月まで伸ばすことができ、消費者には通年一定の大きさのサーモンを提供できる」と話した。 Huon Aquaculture社は、タスマニア州で1988年に設立され、現在380名以上の従業員がいる。 (Source: ABC, 20/06/08 "Salmon farm expands")

06月25日2008 輸出業者は豪ドル高が最大の懸念と指摘 − DHL調査

  大手運輸企業DHL社が行なった輸出バロメーター調査では、オーストラリアの輸出業者にとって豪ドル高が最大の懸念材料としているが、ほとんどの企業は海外に事業を移転することは考えていない、としている。 調査結果では、為替レートの問題が企業にとっての悪影響の第1位を占め、調査した輸出業者の3分の2が、豪ドル高が彼らの事業に影響すると懸念している。 一部の輸出業者は全面的か、または部分的にオーストラリアでの事業の閉鎖をしているが、全体の76%の輸出業者はオーストラリアで引き続き生産する計画である。 また2%の輸出業者は海外への事業移転を計画しており、そのほとんどはサービス業と製造業部門である。 海外の移転先はほとんど中国である。 また、今回の調査では、13%の輸出業者が過去12ヶ月間に”金融引き締め”の影響を受けていることがわかった。 「来年にかけて、世界のどのような出来事が事業に影響するか?」との質問には、42%の輸出業者が”サブプライム・ローン問題”と解答している。 オーストラリア貿易促進庁(Austrad)のティム・ハーコート主任エコノミストは、「輸出業者は、サブプライム・ローン問題による”金融引き締めと、高い金利の影響を懸念している。 しかし、彼らはアメリカ市場が短期的な落ち込みから回復することを望んでいる」と話した。 今回の調査で判明したそのほかの問題は、32%の輸出業者が最初に輸出する際に、多額の初期投資が大きな障壁となっているとしている。 このDHL社の輸出バロメーター調査は、オンラインと電話インタビューによって600社の輸出業者を対象にしている。 (Source: AAP, 19/06/08 "Exporters say $A their biggest concern")

06月25日2008 初めて生乳をアジアに輸出 − 西オーストラリア州
  西オーストラリア州の酪農家が、オーストラリアの家族経営の企業として初めて、生乳をアジア輸出する。 同州南西部のBannister Downs Farm社は、1,000頭の乳牛を所有し、年間300万リットル以上の生乳を生産している。 同社のマット・ダウブニー取締役は、「香港に当初は、毎週1,000リットルの生乳を輸出する予定で、新しい生物分解性パッケージで航空貨物運賃費用の削減が出来る。 香港側は、生乳が我々の生産所から香港まで24時間以内に到着し、そのまま小売店の棚に陳列できるとしている。 彼らはこの流通システムに自信を持っており、我々もオーストラリアでの手配を確実に行なうことが出来ると思う。 一回分の積荷の1,000リットルは、1立方メートルの大きさとなり、パッケージは7キロの重さとなる。 この容積で考えると、多く出荷するればするほど、輸送費が安くなる」と話した。 (Source: ABC, 18/06/08 "WA dairy exporting first Aussie fresh milk to Asia")
06月18日2008 生のプローン(クルマエビ)の輸入制限で、国内価格が上昇
  輸入される生のプローン(クルマエビ)に対する検疫制限で輸入量が大幅に落ち、甲殻類の値段が上昇している。 昨年9月にハワード前政権が導入した輸入制限で、以前はオーストラリアのプローン消費量の半分を占めていた生(非加工)プローンの輸入量が75%減少した。 加工したプローンも、輸入業者は検疫上の問題が出てくるのではないかと懸念し35%輸入量が減った。 シーフード輸入業者協会のハリー・ピーターズ会長は、「オーストラリア産の生プローンは、先週スーパーで1キロ当たり40ドルで売られ、引き続き値上がりしている。 オーストラリアの人々は、安い海外のプローンを満喫すべきである。 オーストラリアのプローン市場は年間5万トン以上あるが、現在オーストラリア産と輸入物を合わせても、その半分も供給できていない。 農林水産省に属す機関で、輸入される動植物の検査制度を統括する”Biosecurity Australia”は、「この検疫上の制限は、輸入されるプローンに付着している病原菌から、オーストラリアのプローンを守るために導入してものである」と説明する。 シドニーのシーフード販売業者のニコラス・ジョーゴウラス氏は、「プローンの価格は絶えず変動している。 供給が少ないときには高くなり、我々はプローンの価格をいつも同じに設定することができない。 1週間で1キロ当たりの値段が10ドルも跳ね上がることがり、先週プローンを買った客が、今週来て『なぜそんなに高くなったのか』と苦情を言われる」話した。 (Source: Australian, 17/06/08 "Import ban forces prawn prices to soar")
06月18日2008 干ばつでウナギもいなくなった − ビクトリア州

  干ばつは農作物だけに被害を与えているのではなく、淡水のウナギが住む湖や川がひあがり影響を与えている。 ビクトリア州のコラック湖のウナギ漁師のビル・アレン氏は、「以前はたくさんウナギがいた場所を今泥まみれになって探しているが、見つけるのが非常に難しくなった。 例年なら年間400トンは獲れるのに、今は40トン強で90%減ったことになる。 今の時期はコラック湖だけしかウナギが獲れない」と話した。 オーストラリアのウナギは、南太平洋のバヌアツから来ていると言われている。 (Source: ABC, 16/06/08 "Eels on the way out")

06月18日2008 日本からのリンゴの注文が多様化 ー タスマニア州

  日本のバイヤーは過去において赤い大きなふじリンゴしか興味を示さなかったが、最近は、青リンゴを含めたほかの6種のリンゴにも興味を持ち、サイズも様々となっている。 タスマニア州の果実生産者のルーシー・グレッグ氏は、「我々の業界で初めて、色々な種類のリンゴを積んだコンテナーが大阪に向けて今日出る。 我々は日本のスーパーマーケットと取引をしているが、最近彼らは、若者層においてフルーツの嗜好が変わってきたことに気がついてきた。 今の若者層はリンゴを従来の果物としてではなく、スナックとして見るようになってきた。 以前はリンゴを切って家族で分けて食べていた。 しかし、今の若者層はリンゴを取ってそのままかじる。 このような市場の変化により、我々は色々な種類の、また色々なサイズのリンゴを日本の新しいマーケットに送ることが出来る」と話した。 もし、今回出荷するリンゴが成功すれば、タスマニアで出来る小さめのリンゴが日本のスーパーマーケットの棚に常に陳列されることになる。 (Source: ABC, 11/06/08 "Size no longer matters to Japanese")

06月18日2008年 トヨタは豪州でのハイブリッド車生産を補助金提示前に決めていた
  トヨタ自動車は、オーストラリアでのハイブリッド車生産をすでに計画しており、連邦政府やビクトリア州政府からの7,000万ドルの補助金は必要なかった。 ケビン・ラッド首相は、名古屋で行なわれたトヨタ自動車の幹部との協議の中で、ビクトリア州の同社のアルトナ車体組み立て工場でのハイブリッド車生産の補助金として、政府の「Green Car Innovation Fund」から3,500万ドルを拠出することを表明した。 またビクトリア州のジョン・ブランビー首相も同額の3,500万ドルの補助金を約束した。 しかし、この補助金の約束は、トヨタ・オーストラリアの幹部の証言により無駄になった。 その幹部は、「ハイブリッド仕様のカムリのオーストラリアでの生産はすでに決定しており、この数ヶ月以内に正式に発表することになっていた」と語った。 また同社のマイク・ブリーン広報担当は、「補助金があろうとなかろうと、オーストラリアでのハイブリッド車生産は決まっていた。 補助金による協力はいつも歓迎である」と話した。 トヨタ自動車は、ハイブリッド仕様のカムリを日本で2年前に販売開始して以来、オーストラリアでの生産を計画していた。 (Source: Australian, 11/06/08 "Toyota had already planned hybrid Camry before subsidies")
06月18日2008年 日本の検査官によるミバエ無発生地域の指定に期待−サンレイシア
06月18日2008年 昨年のワインの輸入量が過去最高も豪産ワインの輸出は9%減る

  昨年、オーストラリアに輸入されたワインが前年より47%増えて5,000万リットルとなり、過去最高の輸入量となった。 一方、昨年のオーストラリア産ワインの輸出量は9%減少した。 世界的にワイン用ブドウの生産が増えており、短期間でのオーストラリア産ワインの輸出量の好転は見込めない。 南オーストラリア州のリバーランド ワイン用ブドウ生産者協会のクリス・ベイン氏は、「ブドウ業界と政府で協議する問題があるが、この状況は改善できると思う。 今回のこの危機の要因のひとつは、明らかにオーストラリア・ドル高であり、地元の生産者は大きく影響を受けている。 過去4−5年間は、需要と供給が大きな問題のひとつであった。 大量のブドウが生産された為に、世界中のバイヤーが価格の大幅な値引きに圧力をかけてきた。 この問題を解決するには、政府がブドウ業界と協力することである。 我々ブドウ業界も、広域にわたってブドウを植えつけている現在の状況を合理化をしなければならない。 なぜこれだけ広く植えつけたのかとの責任を問うのは困難である。 政府やワイナリーの賢明な協力が必要である」と話した。 (Source: ABC, 11/06/08 "Australians drinking more overseas wine")

06月11日2008年 トヨタが2010年からオーストラリアでハイブリッド車を生産
  ケビン・ラッド首相は、自動車メーカーのトヨタがメルボルン郊外の自社工場で4気筒のハイブリッド仕様のカムリを生産することになると発表した。 これは今日トヨタの本社がある名古屋で、トヨタ自動車の渡辺捷昭社長とともに発表された。 オーストラリア政府は今回の誘致に『Green Car Innovation Fund』から3,500万ドルを拠出することにしている。 トヨタは2010年から年間1万台のハイブリット車を生産する予定である。 ビクトリア州政府も今回の誘致に補助金を出すことになっている。 ラッド首相は、「オーストラリア政府は、オーストラリアの自動車メーカーすべてに、『環境に優しい車』の生産について協議している。 日本の優れた技術をもとに、オーストラリアでも生産していく」と話した。 トヨタ自動車の渡辺社長は、何人の雇用が創出できるかを発表するには、まだ時期尚早であるとしている。 ビクトリア州のジョン・ブランビー首相は、「自動車業界、消費者、環境にとっても素晴らしいニュースである。 ガソリン価格の高騰に苦しむオーストラリアの家庭にとって、国内で生産されるハイブリッド車が購入でいる選択肢が出てきた」と喜んだ。 (Source: ABC, 10/06/08 "Rudd confirms $35m Toyota hybrid deal")
06月11日2008年 5月のオーストラリアの新車販売が好調、燃費の良い車に人気

  高金利やガソリン価格の高騰にもかかわらず、5月のオーストラリアの新車販売は好調であった。 連邦自動車産業会議所(FCAI)が発表した統計では、乗用車、トラック、バスを含めた5月の新車販売台数が8万8,640台となり、前年同月比で43%増えている。 今年の1月から5月までの累計では、前年同期より4%増えて過去最高となっている。 FCAIのアンドリュウ・マッケラーCEOは、「高い金利やその他の要因でこの数ヶ月、新車販売の伸び率が鈍化している兆しがあるなか、今回の結果は自動車産業界にとって素晴らしいことである」と話した。 5月の新車販売の特徴は2つあり、 ひとつは乗用車の販売台数が若干(2.5%)減ったこと、もうひとつはSUV(スポーツ多目的車)と軽商用車の販売が好調であったことである。 ガソリン価格の高騰にもかかわらず、中型のSUVが16.8%、大型SUVも12%増加した。 軽商用車が引き続き好調で、とくにUTE(小型トラック)の需要が高い。 マッケラーCEOは、「乗用車とSUVでは、クリーンなディーゼル・エンジンを搭載した車種の販売が増えてきている。 この数ヶ月前からコモンレール式ディーゼル燃料噴射システムを使用した車種が市場に投入され、オーストラリアの人々は、この新しいテクノロジーに関心を寄せている。 ガソリン価格が高騰しているが、消費者は必ずしも小型車ではなく、燃料効率の良い車を探している。 今は昔のディーゼル車のイメージとは変わっている。 ディーゼル車は、燃料効率もよく排出する炭酸ガスも少ない、そして力強い。 ガソリン価格が上がっているが、最新のテクノロジーによって燃料効率が良くなり、ガソリン車も敬遠されることはない」と話した。 5月のメーカー別の販売台数は、1位がトヨタでマーケットシェアーが23.4%、2位はホールデンで同12.5%、 同10.9%のフォードは3位となっている。 1−5月の販売台数累計では、トヨタが10万1,816台、ホールデンが5万5,155台、フォードが4万4,183台となっている。 .(Source; FCAI, 04/06/08 "Fuel prices driving motorists to car showrooms")

06月11日2008年 オーストラリア産ワインの輸出量が減少

  オーストラリア ワイン・ブランディー公社は、「今年5月までの過去12ヶ月間のオーストラリア産ワインの輸出量は減少し7億2,400万リットルとなった。 バルク・ワインの減少が総輸出量を9%減らす原因となった。 輸出額も前年同期と比べて7%減り28億ドルとなった」と発表した。 同公社による5月の輸出報告書では、バルク・ワインの輸出が33%減り、ソフト・パッケージ入りのワインも42%減少したとしている。 UKが依然、オーストラリアにとって最大の輸出先国で、今年5月までの過去12ヶ月間で輸出量2億7,200万リットル、輸出額総9億600万ドルとなっている。 2位はアメリカ(輸出量1億9,000万リットル、輸出額総8億200万ドル)、3位はカナダ(輸出量4,800万リットル、輸出額総2億7,400万ドル)となっている。 (Source: AAP, 06/06/08 "Wine exports drop")  

06月11日2008年 好調な新車販売に陰り、5月の乗用車が前年割れ−ニュージーランド

  7年間に渡って好調な販売を続けてきたニュージーランドの新車販売台数が、5月には陰りが見えてきた。 5月の新車乗用車の販売台数が4月より少し増えて5,627台になったものの、過去17年間で最高であった前年同月と比べると11.3%減少した。 新車商用車は、今年の4月、前年同月と比べて少し減って2,002台となった。 しかし、今年に入って5月までの乗用車と商用車を含めた新車販売全体での累計では、前年同期と比べて3.5%増加している。 ニュージーランド自動車産業協会のペリー・ケアーCEOは、「もし、5月の傾向が6月にも現れることになれば、ついに長年続いた新車販売の成長が、硬化する時期に突入しているかもしれない。 5月の実績は全く予想外のことではなく、現在ニュージーランドの経済は減速しており、ほかの産業すべてに影響している。 しかし、特に小型乗用車の需要は依然高く、我々は今年の新車販売台数は昨年と同様になると期待している」と語った。 メーカー別の新車販売台数の1位はトヨタで、フォードとホールデンが2位を争っている。 車種別では、トヨタ”カローラ”が2位のホールデン”コモドア”を上回っている。 (Source: MIA, 03/06/08 "New vehicle market takes a breather at last")

06月11日2008年 スポーツ衣料アディダスがミュールジングしたウールをボイコット

  世界的なスポーツウェアー・メーカーのアディダスは、ミュールジング処理した羊から生産したウールを今後使用しないことを発表した。 動物保護団体は、ハエからの攻撃予防策として羊の尻部の皮膚を剥ぎ取る処理方法に反対するキャンペーンの一環として、アディダスに圧力をかけてきた。 アディダス・オーストラリア社のマーケティング・ディレクターのサイモン・ミラー氏は、「我々は現在、ミュールジング処理した羊からのウールをあまり使用しておらず、今回の決定による当社への影響は最小限となる。 今回の決定は、ドイツのヘルツォーゲンアウラハ (Herzogenaurach) にある我々の本社が行なった。 これは、原料調達方法や製造方法に関するアディダスの世界的な方針に沿ったものである」と説明した。 (Source: ABC, 05/06/08 "Adidas announces ban on mulesed wool")

06月11日2008年 害虫が発見されトマトとカプシカムが輸出禁止−ニュージーランド

  病気の原因となるバクテリアが発見されたことで、ニュージーランドからのトマトとカプシカム(ピーマンなどのトウガラシ属)の輸出が停止された。 このバクテリアはオークランドの3ヶ所の温室で発見され、ジャガイモ、ナス、唐辛子などに広がっていく危険性がある。 ニュージーランドからのカプシカムの年間の輸出額は3.400万NZドルで、トマトは700万NZドルとなっている。 カプシカム生産者のハミッシュ・アレクサンダー氏は、「ニュージーランドの主要輸出先国のオーストラリアと日本には過剰に反応しないように望んでいる。 注文をすべてキャンセルするようなことにならないように願っている」と話した。 生産者たちは、収穫がピークとなる10月までには輸出が解禁されることを期待している。 (Source: ABC, 05/06/08 "Disease halts NZ tomato, capsicum exports")

06月04日2008年 サーモン養殖大手タサール社が大学を訴える − タスマニア州
  アトランティック・サーモンの大手養殖業者タサール社が、タスマニア大学が実施した化学薬品の試験により6万匹以上のサーモンが死んだとして170万ドルの賠償を求めて訴えを起している。 同社は、「タスマニア大学が2005年12月に、アメーバ性鰓病(Amoebic gill disease)の治療薬として試験的にサーモンに与えた化学薬品クロラミンT(Chloramine T)が過剰であり、それによって6万0,440匹のサーモンが死んだ。 この行為は不注意が原因で、わが社に対し試験前に内容を十分説明されていなかったことで大学との契約に違反しており、また、大学側はクロラミンTの取り扱いに際し、関係者の教育や事前の指示内容も確認していなかった」と主張している。 一方、タスマニア大学と保険会社のUnimutual社は裁判の前を理由にコメントを避けている。 アメーバ性鰓病は暖かい水が関連していると考えられており、生簀(いけす)の中にいる魚にとって定期的な真水による処理が必要とされている。 この病気は人体には影響はないが、魚のエラに障害を起し成長を妨げることになる。 この病気により、タスマニア州の2億3,000万ドルのサーモン養殖産業に、治療費や死んだサーモンなどにより2,000万ドルの損害が出ている。 (Source: Mercury, 31/05/08 "University's $1.7m fish writ")
06月04日2008年 農業団体は遺伝子組み換え穀物を支持 − 西オーストラリア州

  西オーストラリア州の牧畜業者遺伝子組み換え操作した(GM)穀物への再検討を要請している。 これは、アラン・カーペンター州首相が、「遺伝子組み換え操作した(GM)食品の管理やラベル表示については全国的に取り組むべきである」と発言したことを受けたものである。 西オーストラリア州は、すべての遺伝子組み換え操作した(GM)穀物を禁止しているが、オーストラリア食品基準局(Food Standards Australia)は、遺伝子組み換え操作した(GM)トウモロコシやカノーラを使用した一部の食品をほかの州で許可している。 牧畜業者団体のロブ・ギラム会長は、「我々の団体は、引き続き州政府の首相や農業相に陳情活動を続けていく。 西オーストラリア州では遺伝子組み換え操作した(GM)穀物のニーズがある」と語った。 西オーストラリア州農家連盟(WA Farmers Federation)のマイク・ノートン会長は、「遺伝子組み換え操作した(GM)食品への適正な検査は行なわれている。 もし、遺伝子組み換え操作した(GM)穀物の開発を始めなければ、西オーストラリア州は遅れをとってしまう。 首相の対応や発言には疑問が残る。 西オーストラリア州がほかの州と肩を並べる最良の方法は、遺伝子組み換え技術を採用することである」と話した。 (Source: ABC, 03/06/08 "WA Govt urged to rethink GM crops moratorium")

06月04日2008年 中国と南東アジア向け豪産ラムの輸出が急増
  今年の1月から4月までの4ヶ月間の中国と南東アジア向け豪産ラムの輸出が、前年同期より48%増えて1万0,25トンとなった。 豪ドル高にもかかわらず、特に中国やマレーシアの高級食材店からの需要が高かった。 中国向けは4ヶ月間で前年同期比で49%増えて5,959トンとなった。 香港向けも157%増えて1,970トンとなり、マレーシア向けも43%増えて1,080トンとなった。 ニュージーランドも同じ4ヶ月間の中国と南東アジア向けのラム輸出量が8%増えて1万4,880トンとなっている。 中国へは1万0,989トン、台湾へは1,736トン、香港へは938トン、シンガポールへは339トンとなっている。 (Source: MLA, 22/05/08 "Increased lamb exports to South Asia")
06月04日2008年 オーストラリアのアボガド業界は安値と病気で踏んだ蹴ったり

  ハス種のアボカド生産者価格が過去5年間で最低となり、オーストラリアのアボカド生産者は、今シーズンのことは忘れてしまいたいと思っている。 それに加えて、クイーンズランド州北部のアボカド業界は、何千本のアボカドの木の根が腐ったり、カビのような菌で大打撃を受けている。 生産者のジム・コーチ氏は、「生産過剰により、生産者価格が生産コストより下回っている。 ケアンズのスーパーのカタログを見ると1個86セントで販売されいる。 これは最低価格で、アボカドの価格に大きな打撃を与えている」と嘆いた。 (Source: ABC, 28/05/08 "Avocado growers suffer disease and low prices")

06月04日2008年 羊のミュールジング自主申告制度を導入 − ウール業界

  オーストラリアのウール業界は、動物保護に対処すために、ミュールジングの申告制度を導入する。 ウールのオークションを行なっている機関Australian Wool Exchangeは、7月から販売されるウールの各ベール(梱包、俵)毎に付ける新しい申告システムを開発した。 生産者は、オークションに出すウールが、ミュールジング処理をした羊から採ったものかどうかを申告さされる。 Australian Wool Exchangeのマーク・グレブス氏は、「申告された情報が正確なものかを検証する方法も検討する。 この新しいシステムは7月から始まり、最初の6ヶ月間は申告情報が確実に書類で、そして電子的に我々が入手できることを確認していく。 これにより申告が正確なもとなり、バイヤーが購入に際し、正確な情報を得ることが出来る」と話した。
 
 *ミュールシングというのは、羊の皮膚のしわが尿や水分を吸い、ハエが卵を産みつけたり、孵化したうじ虫が生きた羊に害を与えることを予防するために、尻尾と肛門のまわりの皮膚を鎮痛剤などは使わずに削ぎ切る作業であり、動物保護団体から虐待として非難されている。

(Source: ABC, 26/05/08 "Wool industry to introduce mulesing declaration")

06月04日2008年 オーストラリア国内の農業機械の販売台数が急増
  最近の業界の統計を見ても、オーストラリアが干ばつから完全に抜け出せない中、農家は2008年上半期には引き続き農業機械を購入している。 オーストラリア トラクター・農業機械協会(TMA)のヴィン・デラハンティー専務理事は、「1月のトラクターの納品数は、前年同月比で22%増えている。 これは1月としては1990年以降最高で、過去5年の1月の平均を40%上回っている」と話した。  干ばつにより農業機械の販売が下落した後、農家は高性能のトラクターを購買するようになり、それらの機種では70%販売が増えている。 デラハンティー専務理事は、「2月の販売はもっとすごく1984年以来最高の販売台数となっている。 2月は1,000台以上のトラクターが販売され、前年同月比で34%増え、過去5年間の2月の平均より38%増加した。 業界のこうした強気の姿勢に、高品質の中古トラクターの需要も高まり、中古トラクターの販売ディーラーの在庫もなくなっている」と続けた。 (Source: National Rulal Nes, 21/05/08 " Machinery sales up sharply, despite uncertainty")